熱処理について

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金型・切削工具などの真空熱処理

1個〜少量・個別対応 柔軟に細かい要望にお答えする

炉の中で処理される金型部品

熱処理とは

熱処理の基礎知識

熱処理とは、金属を加熱・冷却することで目に見えないミクロな組織を変化させ、硬さ・強さ・粘り強さなどの性質を意図的に変える技術です。
加工後の部品に熱処理を施すことで、製品の寿命や性能を大きく向上させることができます。工具・金型・機械部品など、繰り返し使用される製品において特に重要な工程です。

熱処理のメリット

・硬さ(耐摩耗性)が向上し、擦り減りにくくなる

・強さ(強度)が向上し、折れ・曲がりを防ぐ

・粘り(靭性)が向上し、衝撃に強くなる

・疲労強度が向上し、繰り返し荷重に耐える

・真空処理により酸化・変色のないクリーンな仕上がり

・製品の長寿命化・コスト削減に直結する

注意点

・処理後に微小な寸法変化(歪み)が生じる場合がある

・材質によって対応できる処理が異なるため、事前確認が必要

・ワークのサイズ・形状によって炉への投入可否が変わる

・前工程の機械加工状態・残留応力が品質に影響する

熱処理の3要素

熱処理の品質は「加熱温度」「保持時間」「冷却速度」の3つのバランスで決まります。
この3要素を素材の鋼種や目的に応じて最適に設定することが、歪みが少なく高精度な処理を実現するための核心です。オカネツでは60年以上の処理実績から蓄積したデータをもとに、最適条件で対応しています。

なぜ熱処理が必要なのか

素材のままでは強度が不足し、工具や金型はすぐに摩耗・破損してしまいます。熱処理によって必要な硬度と靭性を付与することで、製品の交換頻度を減らし、加工コストの削減・生産効率の向上につながります。
また、窒化処理やPVDコーティングと組み合わせることで、さらなる高性能化も実現できます。

熱処理の主な種類

焼入れ・焼戻し(quenching & tempering)

最も基本的な熱処理です。高温に加熱した後に急冷(焼入れ)することで硬化させ、続いて中低温で再加熱(焼戻し)することで粘り強さを加えます。
焼入れ単体では硬くなる反面、脆くなりやすいため、必ず焼戻しとセットで行います。
用途例:工具、金型、機械部品全般

真空熱処理

真空中で加熱・冷却を行う処理です。酸素がないため表面の酸化や変色が起こらず、クリーンで高品質な仕上がりになります。
また、加熱・冷却が均一なため歪みが少なく、精密な寸法精度が要求される金型や部品に最適です。
オカネツでは独自のⒼsyori(歪み極小熱処理)技術との組み合わせにより、さらに歪みを極小化した処理が可能です。
用途例:精密金型、切削工具、機械部品

ハイス鋼真空熱処理

高速度鋼(ハイス鋼/HSS)に特化した真空熱処理です。高温域での処理が必要なハイス鋼の特性に合わせた温度管理を行います。
適切な熱処理により、切削工具本来の硬さと靭性を最大限に引き出し、工具の長寿命化に貢献します。
用途例:ドリル、エンドミル、タップ、リーマなどHSS製切削工具

真空浸炭焼入れ(carburizing)

真空中で炭素を素材表面に浸透させてから焼入れを行う処理です。表面は硬く耐摩耗性に優れ、内部は粘り強さ(靭性)を保つという「表面硬化」の特性が得られます。
ガス浸炭と比較して浸炭深さの制御精度が高く、スス(煤)の付着もありません。
用途例:歯車、シャフト、カムなど繰り返し荷重がかかる機械部品

焼なまし・焼ならし(annealing / normalizing)

焼なましは高温加熱後にゆっくり冷却することで素材を軟化させ、加工性を向上させる処理です。前工程での切削・加工後に残った内部応力を除去する目的でも使用されます。
焼ならしは加熱後に大気中で冷却し、不均一な組織を標準的な状態に均一化します。
当社でも焼なましについてはお問い合わせをいただくことがあります。まずはご相談ください。
用途例:加工前の素材調整、鍛造・溶接後の応力除去

用途別の選び方

「どんな性質が欲しいか」から熱処理を逆引きできます。
迷ったらお気軽にご相談ください。

硬さ・耐摩耗性を上げたい 焼入れ・焼戻し / 真空熱処理
表面だけ硬く、内部は粘り強く保ちたい 真空浸炭焼入れ / ラスター窒化
歪みを極限まで抑えたい 真空熱処理 + Ⓖsyori(歪み極小熱処理)
切削工具を長持ちさせたい ハイス鋼真空熱処理 / 真空熱処理+PVDコーティング
さらに表面性能を高めたい 熱処理+ラスター窒化 / 熱処理+PVDコーティングの複合処理
加工前に素材を軟化・均質化したい 焼なまし / 焼ならし

材質(SKD、SKH、SCM、SUS など)によって対応可能な処理が異なります。まずはお気軽にご相談ください。

熱処理 処理日程表

処理種別 月 火 水 木 金
真空熱処理(焼入れ・焼戻し) ◯ ◯ ◯ ◯ ◯
ハイス鋼真空熱処理 ◯ ◯ ◯ ◯ ◯
真空浸炭焼入れ ☆処理日は適宜、お問い合わせください
焼なまし・焼ならし ☆処理日は適宜、お問い合わせください

上記☆印は、状況によります。詳しくはお問い合わせください。
※実際の日程は全処理日程表をご確認ください。

ご注意

  • 1. 処理品の材質・形状によって処理条件が異なります。事前にご相談ください。
  • 2. 熱処理後に微小な寸法変化(歪み)が生じる場合があります。精度が厳しい製品はご相談ください。
  • 3. 前工程の機械加工状態・残留応力・表面状態が処理品質に大きく関わります。加工履歴をお知らせください。
  • 4. 焼入れ後は必ず焼戻しを行います。焼入れ単体でのご依頼の場合はご相談ください。
  • 5. その他
    • ◎ メッキ・塗装・溶接等の処理がされているものは熱処理できない場合があります
    • ◎ 材質不明の場合は処理対応ができないことがあります。材質をご確認のうえご依頼ください
    • ◎ 極まれに炉内で不具合が生じる場合があります。不可抗力で発生しますので、その際はご了承ください

納品までの流れ

  1. 01

    お問い合わせ 電話orメール

  2. 02

    打ち合わせ・仕様確認

  3. 03

    お見積り 試作・テスト

  4. 04

    製品の(送付)受領

  5. 05

    熱処理

  6. 06

    検査

  7. 07

    製品配送

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