課題解決事例 金属3Dプリンター製品の時効硬化処理で機械的性能を向上
solution

お客様の課題
精密機器部品の製造を行っているT社様。金属3Dプリンターで製造した複雑形状の製品について、硬さと機械的性能の向上に課題を抱えており、当社に相談をいただきました。
金属3Dプリンターで製造された部品は、複雑な内部流路や軽量化構造を実現できる一方で、金属粉末を積層させて焼き固めただけの状態では、十分な硬さや耐久性が得られないという問題がありました。
解決の内容・施策
金属3Dプリンター製品特有の課題
金属3Dプリンター(AM:Additive Manufacturing)は、金属粉末をレーザーで溶かしながら積層させて造形する技術です。この製法により、従来の切削加工では不可能だった複雑な内部流路(冷却水路など)や、軽量化のための中空構造を自由に設計できます。しかし、積層造形したままの状態では材料組織が十分に発達しておらず、実用に耐える硬さや強度が不足しているケースが多くあります。
解決策
時効硬化処理(析出硬化処理)
T社様の製品は析出硬化系ステンレス鋼(SUS630)で造形されていたため、当社では時効硬化処理(析出硬化処理)を提案しました。時効硬化処理とは
時効硬化処理は、金属材料のマトリックス中に微細な析出化合物粒子を生じさせることで硬度を向上させる熱処理方法です。温度と時間を制御することで硬化を加速させ、以下のような効果が得られます。- ・硬さの向上
- ・引張強さの向上
- ・弾性限界の向上
焼き入れとの違い
焼き入れは高温(800~900℃程度)から急冷する処理ですが、時効硬化処理は比較的低温(約500℃)で処理を行います。そのため、焼き入れと比較して変形が少なく、複雑形状の3Dプリンター製品に適しています。ただし、得られる硬さは焼き入れには劣るため、用途に応じた使い分けが重要です。適用可能な材質
- ・析出硬化系ステンレス鋼(SUS630など)
- ・マルエージング鋼
- ・ベリリウム銅
効果・メリット
時効硬化処理に多数の実績
時効硬化処理は、金属3Dプリンター製品の図面に処理条件が指定されているケースも多く、当社では多数の実績がございます。処理後は十分な硬さと機械的性能が得られ、T社様の製品は実用レベルの耐久性を実現することができました。
複雑形状でも変形を抑えた処理が可能
焼き入れと比較して処理温度が低いため、3Dプリンター製品の精密な形状を維持したまま硬化処理が可能です。材質によって適切な処理条件を提案
当社の時効硬化処理は析出硬化系ステンレス鋼(SUS630など)、マルエージング鋼、ベリリウム銅などに対応しています。材質によって最適な処理条件が異なりますので、まずはお気軽にご相談ください。
金属3Dプリンター製品の熱処理でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。お問い合わせはこちら
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