課題解決事例 大型製品の加圧冷却で中心部まで均一硬化を実現
solution

お客様の課題
精密金型の製造を行っているK社様。厚み100mm程度の大型ブロック形状の製品について、中心部まで十分な硬さを得たいという相談をいただきました。
製品をワイヤー放電加工などで切断した際などに中心部の硬度が不足していると、製品の耐久性や信頼性に影響を与えます。特に大型の厚肉製品では、表面は硬化しても中心部の硬度が不十分になるケースは多く、K社様もこの点を懸念されていました。
解決の内容・施策
大型製品特有の課題:中心部の冷却遅れ
真空熱処理において、大型製品や厚肉製品を焼き入れする際、通常の減圧冷却では中心部の冷却速度が遅れてしまいます。これは、製品の表面と中心部で冷却速度に大きな差が生じるためです。
中心部の冷却が不十分だと、十分な硬度が得られないだけでなく、材料組織が不均一になり、製品全体の機械的性質が低下してしまいます。特に厚み100mm以上のブロック形状では、この問題が顕著に現れます。
解決策
加圧冷却による急速冷却
当社では、製品の形状・サイズを確認した上で、加圧冷却による処理を提案しました。
加圧冷却とは
加圧冷却は、真空熱処理における高性能な冷却技術です。通常の減圧冷却では炉内の圧力を下げて冷却しますが、加圧冷却では逆に高圧の窒素ガスを炉内に投入することで、冷却速度を劇的に向上させます。加圧冷却の原理
炉内に高圧の窒素ガスを投入することで、窒素分子の密度が大幅に増加します。密度の高い窒素ガスが製品表面に接触することで、熱を奪うスピードが飛躍的に向上し、製品の中心部まで効率的に冷却することが可能になります。当社の加圧冷却設備
- ・最大加圧:6バール(約6気圧)
- ・冷却ガス:窒素ガス
- ・対応製品:大型製品、厚肉製品、ハイス鋼製品
通常冷却と加圧冷却の比較
| 項目 | 通常の減圧冷却 | 加圧冷却 |
|---|---|---|
| 炉内圧力 | 減圧(0.1~0.5バール程度) | 加圧(最大6バール) |
| 冷却速度 | 遅い | 非常に速い |
| 厚肉製品の中心部硬度 | 不十分になりやすい | 均一に硬化 |
| 適用製品 | 小型~中型製品 | 大型・厚肉製品に特に有効 |
効果・メリット
中心部まで均一な硬度を実現
加圧冷却により、K社様の製品は表面から中心部まで均一な硬度を実現することができました。ワイヤーカット後の断面確認でも、中心部の硬度不足は解消され、製品の信頼性が大幅に向上しました。大型・厚肉製品に最適
当社の加圧冷却設備は最大6バールまで対応可能で、厚み100mm以上のブロック形状や大型金型の処理に多数の実績があります。特にハイス鋼などの工具鋼の焼き入れにおいて、加圧冷却は必須の技術となっています。製品形状に応じた最適な処理をご提案
当社では、お客様の製品形状・サイズ・材質を確認した上で、加圧冷却が必要かどうかを判断し、最適な処理方法をご提案します。見積もり時に製品を拝見し、技術的な観点から最良の方法をアドバイスさせていただきます。大型製品や厚肉製品の真空熱処理でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。お問い合わせはこちら
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