課題解決事例 ハイス(YXR)プレートの焼入れ歪みを0.1mmに軽減

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お客様の課題

他社でハイス(YXRなど)のプレートを焼入れしたところ、焼き上がり時に0.2〜0.4mm程度の歪み(ソリ)が発生していました。プレートのソリが大きいと、後工程の研削で取り代が増えて工数がかさみ、取り代が足りない場合は寸法が出なくなるおそれもあります。

解決の内容・施策

ハイスのプレートに歪みが出やすい理由

ハイス鋼は1,100℃を超える高温から焼入れを行うため、加熱・冷却の際に表面と内部、厚い部分と薄い部分で温度差が生じやすく、その差が熱応力となって変形を引き起こします。特にプレートのように薄く面積の広い形状は、わずかな冷却ムラがソリとして現れやすい形状です。

焼入れ方法による違い


ソルトバス(塩浴):ハイスの焼入れで古くから使われる方法。冷却が急激なため歪みが出やすく、製品への塩の付着や環境面の課題もある
雰囲気炉でのガス焼入れ:炉内の酸素を完全には排除しきれず、高温保持中に結晶粒界に沿って酸化(粒界酸化)が進み、表層の組織が脆くなる
真空焼入れ(オカネツ):酸素を排除した真空中で加熱するため粒界酸化が起きず、冷却もガスで制御するため歪みを抑えやすい

粒界酸化が工具寿命に与える影響


粒界酸化が起きると、金属組織の境目(結晶粒界)が脆くなり、使用中の欠けや割れの起点になります。当社の試験では、真空焼入れはガス焼入れに比べて寿命が約1.3倍向上する結果が出ています。

解決策

オカネツはハイス鋼を真空熱処理しています。真空炉でもソルトバスと同等水準の処理品質を確保しながら、ガス冷却によって焼入れ歪みを抑えることができます。

効果・メリット

焼入れ後の歪みが0.1mm程度まで抑えられ、「非常に助かっている」とのお声をいただきました。ソリが小さくなることで、後工程の研削取り代や工数の削減も期待できます。

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