課題解決事例 真空深浸炭で納期短縮と品質向上を両立

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お客様の課題

自動車部品の製造を行っているY社様。深い浸炭層(1mm以上)が必要な部品について、従来のガス浸炭では処理時間が長く、納期に課題を抱えていました。
また、深浸炭を行うと粒界酸化が発生しやすく、表面の研磨工程が必要になるため、工数とコストが増加していました。さらに、大型部品では浸炭ムラが発生しやすく、品質の安定性にも悩みを抱えており、当社に相談をいただきました。

解決の内容・施策

ガス浸炭による深浸炭の課題

ガス浸炭は自動車部品など大量生産品の表面硬化処理に広く使われており、比較的低コストで処理が可能です。しかし、深い浸炭層(1mm以上)を形成する場合、以下のような課題があります。

ガス浸炭の主な課題


  • 1. 処理時間が長い:深浸炭には非常に長い処理時間が必要となり、納期への影響が大きくなります。

  • 2. 粒界酸化の発生:ガス浸炭では炉内にどうしても酸素が残るため、長時間の処理で粒界酸化が発生します。粒界酸化は製品表面を荒らし、機械的性能、特に疲労強度を低下させる原因となります。そのため、処理後に表面を削る・研磨する工程が必要になります。

  • 3. 浸炭ムラが発生しやすい:特に大型部品や複雑形状の部品では、均一な浸炭層を得ることが難しく、浸炭ムラが発生しやすくなります。



解決策

真空浸炭による深浸炭


当社では、Y社様の製品に真空浸炭による深浸炭処理を提案しました。

真空浸炭とは

真空浸炭は、真空環境下で浸炭処理を行う技術です。炉内の酸素を極限まで減らすことで、ガス浸炭の課題を根本的に解決できます。

真空深浸炭の特徴


  • 1. 1mm以上の深浸炭が比較的短時間で可能:真空浸炭はガス浸炭と比較して処理時間を短縮できます。深浸炭の場合でも、ガス浸炭より効率的に浸炭層を形成できます。

  • 2. 粒界酸化が発生しない:真空環境下で処理を行うため、炉内の酸素を極限まで減らし、粒界酸化を防止できます。これにより、表面の研磨工程が不要になるため、工数とコストを削減できます。

  • 3. 浸炭ムラが起きにくい:真空炉内では均一な雰囲気が保たれるため、大型部品や複雑形状の部品でも浸炭ムラが発生しにくく、安定した品質を実現できます。

  • 4. 疲労強度の向上:粒界酸化がないため、機械的性能、特に疲労強度が向上します。繰り返し荷重がかかる自動車部品などに最適です。


ガス浸炭と真空浸炭の比較





項目ガス浸炭(深浸炭)真空浸炭(深浸炭)
処理時間非常に長い比較的短い
粒界酸化発生する発生しない
後処理(研磨)必要不要
浸炭ムラ発生しやすい発生しにくい
疲労強度粒界酸化により低下高い
環境負荷CO2排出、すす発生クリーン
主な用途大量生産の自動車部品など高品質要求部品、工具、金型

効果・メリット

納期短縮と品質向上を両立

真空深浸炭により、Y社様の製品は処理時間を短縮しながら、粒界酸化のない高品質な浸炭層を実現できました。納期の短縮とともに、製品の疲労強度も向上し、顧客満足度の向上につながりました。

後処理工程の削減でコストダウン

粒界酸化が発生しないため、処理後の表面研磨工程が不要になりました。これにより、工数削減とコストダウンを実現できました。

浸炭ムラがなく品質が安定

真空炉内の均一な雰囲気により、浸炭ムラが大幅に減少し、品質の安定性が向上しました。不良率の低減にもつながっています。

環境負荷の低減

真空浸炭はすすが発生せず、CO₂排出もないため、環境負荷の低い処理方法です。

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